院長コラム

2012年10月 2日 火曜日

平山病とは

平山病とは聞き慣れない病気があります。若年者一側性上肢筋萎縮症ともいい10代の男の子に発病します。成人になると上肢筋萎縮の進行は止まる事が多いのですが、感覚障害がないため気づかず診断が遅れている場合が多いです。それはこの病気の存在を多くの医師が知らない事にもあります。進行すると握力低下、箸の使用、書字、ボタンはめなどの支障を来しますが、初期は手の震えを訴えるお子さんが多いです。経験知識ある医師であれば問診と視診で診断がつきます。確定診断は動態MRIが有用です。この事は学術論文で報告いたしました。
進行予防が大事なのですが、予防には病状の程度により頸椎カラー、手術治療があります。育ち盛りなので頸椎カラー装着は現実的には困難な場合が多い様です。頸椎固定術も有効な治療法の一つです。

投稿者 うちかど脳神経外科